「プリンス論」西寺郷太(新潮新書)

著者とは同世代で、最初気持ち悪い!から入ったもののそのあと噛めば噛むほどスルメのごとく、プリンスの音楽性に魅了されていったところなど(私は同じきっかけパターンで岡村靖幸ファンでもある)共通点も多々あり、2日で一気読み!

また、多作なプリンスだけに、どのアルバム、どの曲にツボるかはファンそれぞれ多種多様だということが、著者が「『PARADE』が一番好きだ」というくだりや、「新作を聴きこんでようやく理解できる様になった頃にまた次の新作が出るため、すぐには十分な感想が言えない」というくだりでも共感を覚えました。

私はダントツ、『愛のペガサス』派で、『For You』『愛のペガサス』という初期2枚の、音数少なく、ロマンティックなメロディライン+プリンスのファルセットボイスが大好きなのだが、こういった初期曲はライブ向きではなかったか、とこの本で改めて認識したり、極端にBPMが多いハイテンポな曲と、BPMが少ないバラードで、観客の高揚を絶妙に操作できてるのは確かに『Purple Rain』のアルバムだな、ということも分かり、感慨深かったです。

プリンスはその作品数、活動の長さからファンの知識レベルはピンキリだろうし、一部コアマニアはこの本に物足りなさを感じるかもしれませんが、それでも郷太氏のプリンス愛と、同じアーティスト/プロデューサー目線からの考察に関しては、コアマニアでも共感できたり、新しい発見のある内容になっていると思います。

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