「ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス」大江千里

東洋経済オンラインに掲載されていたインタビュー記事『大江千里、47歳で始めた僕の「ライフ・シフト」』を読み、自分もちょうど千里さんが第二の人生を決断された歳に近い年齢で、興味を引いたので即ネット購入しました。結構文量もあり、じっくり噛み締めて読みたかったため、1週間ほどかけて読了。

この本を読むまでは、自分がもっていた千里さんのイメージは80年代ポップスのシンガーソングライター、としてだけだったんですが、この本で、千里さんの温和そうな見た目からは意外なまでの?男気(すみません!)、これと決めたら困難にもどんどん乗り越えて突き進んでいくチャレンジ精神と有言実行力、人間味溢れるチャーミングなお人柄、シンガーソングライター大江千里ならではの表現力豊かな文章ーーなどなどに魅了され、面白くてどんどん読み進み、読み終わった後はほのぼのと、でも清々しく、ポジティブな気分にさせてもらいました。

姉の影響で、リアルタイムで千里さんの2枚目のアルバム『Pleasure』でファンになり、今でもこのアルバムの収録曲は全部そらで歌えるほど大好きで(特に「三人目のパートナー」!)、いまだにカラオケで歌うほどなんですが(「シンデレラにはかなわない」「BOYS & GIRLS」等々)、アルバムすべては追っていませんでした。

留学されて、ニューヨークのジャズスクールに行かれた後、東京Jazz Festivalのオープンスペースでのイベントに出演されることを知り、昔のポップな曲をピアノで弾き語ってくれることを期待して会場に行ったことがあるんですが、この本を読んだ今では、千里さんに対してなんて失礼な思いで観に行ってたんだろう、と少し恥ずかしくなりました。

ポップスとそれまでの生活に決別し、人生の一大決心をしてジャズに転向された千里さんの強い気持ちをその時は知らなかったんですね。

私も社会人になってお金を貯めてから自分の意志で留学した経験があり、留学中は本当に節制した生活をしていたので、千里さんが学生に戻って一所懸命生活費を節約しながらジャズの勉強だけに励まれている章は、僭越ながら昔の自分も思い出しながら読ませてもらいました。

また、千里さんのニューヨークでの生活の様子全般が垣間見れたのも新鮮でした。スクール時代のクラスでの出来事や多国籍のクラスメイトとのジャズ談義、近所の人達との交流、グルメでお酒好きらしい千里さんならではの地元や旅行した先での食やお店にまつわるエピソード、自主レーベルを立ち上げられた後の日々のお仕事の様子、ペットのワンちゃんにセラピーされながらの生活ーーなどなど、あらゆる場面で私のツボをつき、読みどころ満載でした。

この本の前に出版されている「9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学」もさらに読んでみたくなった、そんな素敵な自叙伝です。

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